手芸好きの方ならご存じでしょうか?東欧の刺繍「イーラーショシュ」。
刺し子用の糸にも似た独特の太い糸で刺していく、トランシルヴァニア地方に伝わる技法です。
トランシルヴァニアは、11世紀頃はハンガリー王国にあり、その後ドイツの植民地やオーストリア領、再度ハンガリー領になった歴史を経て、現在はルーマニアの中部の地方となっています。
ハンガリー語で「森の彼方の土地」という意味があるそう。
そして「イーラーショシュ」はハンガリー語の「イール(書く・描く)」という言葉から来ているそうです。確かに、フリーハンドで描いたようなあたたかみのある図案が特長。
それでいて、厚めの素朴な布に、鮮やかな単色の太い糸で模ったそのモチーフには、力強さも感じられます。
「イーラーショシュ」という詩集があることは少し前から知ってはいましたが、先日、長年イーラーショシュを刺していらっしゃる作家さんの作品に実際に触れる機会があり、その得も言われぬ糸目が織りなす質感に魅入られてしまいました。
もともと東欧の刺繍は大好きだったこともあり、すっかり夢中になってしまいました。
それ以来刺し方を自分なりに模索する日々。はじめは刺し子用の糸や刺繍糸6本取りで代用していましたが、やはりあの発色や質感は再現できず、イーラーショシュ用の糸を買ってしまいました。
もうすぐクリスマスということもあり、見よう見まねで赤と緑のオーナメントの小作品を刺してみました。
刺し方もだいぶ慣れてきたので、今年のツリーはこのオーナメントだらけにしようかな?
カラー生地にしてみたり、あえてチェック柄などの生地にしてみたり(厚手のキッチンクロスなんて良さそうですね)、いろいろアレンジしてみようと思います。
子どもが寝付いた後の、秋の夜長の楽しみが増えました*